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20世紀日本の歴史学
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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歴史家が社会を見る視線
本書は、長年日本中世史を研究してきた著者が、近年の教科書問題に刺激されて、60余年の学究生活を踏まえ、明治以来の日本の歴史学と政治・社会のあり方との関係を問い直すべく、2002年前半に書き下ろした史学史の著作である。
本書の長所は、第一に膨大な研究を丹念に追いながら、20世紀歴史学の大まかな流れを平明に描き出した点にある。第二に、著者は単線的な流れではなく、多様な潮流をきちんと描き出している。第三に、戦後のみならず戦前の歴史学にも分析が加えられている点も重要である。第四に、著者自身の価値観をきちんと明示している点で、誠実である。
他方、本書にはいくつかの問題点が無いわけではない。第一に、学問と社会の関係を問い直すなら、社会に関する分析はもっと必要ではないのか。私見では、消費社会論や、グローバリゼーション論を踏まえてほしかった。それらの分析の欠如が、網野史学へのやや低い評価や、世界システム論への言及の少なさに帰結しているように思う。第二に、研究者の社会的地位の変化の問題、いわゆる「知と権力」の問題について、分析が弱いと思われる。
とはいえ、歴史学・歴史教育を志す人には、本書は大いにお勧めしたい本である。
吉川弘文館
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